キャバ嬢に見習う。ファイナンスする際の「方法(HOW)」よりも大切な「考え方(WHY)」とは何か。

FINRA-finance

「ファイナンス」という言葉を聞いて何を考えるだろうか。

「財務」「数式」「M&A」「経営戦略」などの難しそうな言葉が連想されるかもしれない。
しかしそれらすべての、複雑な数式をこねくり回したり、数字とエクセルを自在に操ることは、方法でしかない。

何事も、大切なのは「方法」よりもその根本にある「考え方」だ。
「優れたリーダーは皆、WhatでもHowでもなく、Whyから始めている」とも言われている。
理由、目的がしっかりとなければ、本末転倒であるということだ。

「ファイナンスの方法」よりももっと根本にある「ファイナンスする」ということの考え方とは何か。

そこで、「ファイナンスとは?」の答えを、シンプルにこう考えてみるのはどうだろう。

「ファイナンスする」とは「あらゆる価値を適切に判断すること」。

これに基づいて考えてみると、「ファイナンスする」ことは、事業を作ったり進めたり、はたまた私生活においても、個人・組織が意思決定する際には、常に必要なことになるのが見えてくる。
今回はその視点で「ファイナンスする」こととは何なのかについて考察してみる。

一説によれば、これをキャバ嬢に見習うことができるかもしれない。

 

「ファイナンスする」目的は「結果の最大化」。「どんな時でも」必要なこと。

そもそも、「ファイナンスする」目的は何なのか。それは「結果を最大化する」ことである。
「ファイナンスする」のが必要なのはいつなのか。それは「どんな時でも」だ。

どんな時でも人や組織は何かの意思決定をしている。会社を経営する、事業を作る・推進する・買収する、人材を採用する・育てる、自分の時間の使い方を決める、デートをする場所を決める、本を買う、服を買う、人を食事に誘うなど様々だ。

その意思決定は大小問わず無数にあり、その積み重ねによって人や組織は動いているのだ。

意思決定をする際、結果を最大化するために意識すべきことは何だろうか。
それは、「あらゆる価値を適切に判断すること」だ。
(ここでの「価値」は「良い点」「悪い点」双方を含む)

より具体的に言えば、

「世の中の事象や、サービス・商品、能力、文化などあらゆるモノやコトが、今持っている現在価値、そしてそこに潜んでいる将来価値を、長期・短期目線で正しく見極めることができるか。」
「自己の組織・個人の持つ価値を正しく見極めることができるか。」
「どの価値に重きを置き選択・集中するか、自分たちにとって最も良い判断ができるか」
である。

例えば仮に、価値を見誤ったり、間違ったことや人材に、時間や労力・資金を投入したりすると、
「結果を最大化する」という目的に到達できず、せっかく使った時間や労力、お金は投資以下の価値になって返ってくることになる。

そうではなく、現在の自分たちの状況や世の中を正しく判断し、結果の最大化に必要なことや、実際にはまだ価値が見出されていないが将来評価されるであろうことを見出し、そこに投資をすることができれば、それはいずれ投資した以上の価値を持って返ってくる。それは人かもしれないし、技術かもしれないし、アイディアや市場選択かもしれない。

そのために、あらゆることの価値を適切に判断することが「ファイナンスする」ということである。
難しい数式はこの「価値を適切に判断すること」をサポートするための一つの手法に過ぎないのだ。

 

「ファイナンスする」ことは事業推進を助ける。

星野リゾートは、この「ファイナンスする」ことを得意として、事業を伸ばしてきた。
軽井沢の小さな旅館だった星野リゾートは、団体客・個人客をの両方受け入れるという80年代に台頭していた典型的スタイルの中規模旅館だった。しかしそこから、個人客のみに狙いを絞り、客室数を半分にし、高級旅館へと方向を転換したことで、収益力を高めた。
その当時は、その地域にあまりなかったものを生み出したのだ。
これはまさしく「ファイナンスする」ことで、様々なことの「価値を適切に判断」し、潜在的な隠れた魅力を引き出したり、新たな価値を生み出すことで、人びとの需要を創造した例である。

それを機に星野リゾートは様々な地方の旅館を事業再生させており、現在の事業規模は海外にまで及ぶ。

ウォーレンバフェットは、事業における「ファイナンス」についてこのように言っている。

Warren Buffett

「事業家であるからより良い投資を行うことができ、投資家であるがゆえによりよい事業を行うことができる」/ Warren Buffett

つまり、事業を行うにしても、投資をするにしても、「良い結果」を出すために必要なことは同じだということだ。その必要なことが、「ファイナンスする」ことではないだろうか。

事業において言えば、
「あらゆることの価値を適切に判断する」ことができれば、事業を行うリスクやリターンを考え、適切なタイミングで立ち上げや稼働、提携、転換や撤退する判断をし、最大利益を生みだすことができる。

その際に見極めるものとしては、数式から算出された数値的価値だけではなく、文化や顧客との関係、オペレーション、物事の決め方、事業をする組織の文化や人材、未来に予測されるリスクなども含めて「一見すると目には見えない点」(良い点も問題点も含める)の価値までも、適切に判断できるかが、結果の最大化にとって重要になる。

 

企業の最初の「ファイナンスする」は「社是」を作ること。

企業が「ファイナンスする」目的は、事業の結果を最大化すること。
事業の結果を最大化する目的は、企業を成長させること。
では、そもそも、その企業が存在する目的は、何なのか。

それが、「社是」であり、企業が最初に「ファイナンスする」瞬間であると言える。

「社是」とは、企業の哲学と理念を簡潔に表した言葉である。

これは、企業が世の中のあらゆることに対して「価値を適切に判断すること」をした上で、企業という組織として何に重きを置いて活動していくのかを表現する、企業にとって最初の「ファイナンスする」こととなる。
聖書においても「はじめに言葉ありき」と示されているように、言葉がなければ概念を認識できないものとして、古来より言葉が持つ力は大切にされてきた。

言葉が意識を生み、意識が行動を生む。


つまり、社是という言葉は組織を動かすエネルギーの源となるのである。
それほど社是というものは大切であり、企業が何に価値を置き活動するかという道筋を言語化したものだ。
例えば、日本で著名な企業、「永谷園」。彼らの社是はこうだ。

「味ひとすじ」
彼らは「味」というところに、価値があると信じ、企業としてそこに集中をしようと決めたのだ。
永谷園は日本に限らず世界でその「味」で勝負を仕掛けており、近年も海外の食品事業を買収しながら、その社是を携えて世界中で活動している。

かの有名な「Google」の社是を見てみよう。社是として10の言葉を並べており、それを締めくくる言葉が、これだ。

「Great Just Isn’t Good Enough.」(「すごい」だけでは不十分だ。 )

彼らは、常に上を目指し、この言葉に添えて

「現状に満足しないことが Google のすべての原動力となっている」

と世界へ公表することで、自分たちがどんなことに価値を置いて企業活動をしているのかを示している。

創業150年の蒲鉾の老舗、「鈴廣」の社是はこうだ。

「老舗にあって、老舗にあらず」

変えるものと、変えないものがあるということ。
時代がどうであれ守ることと、時代に合わせて変えるべきこととを見極め、保守と革新のバランスを保っているのだ。
柔軟に「ファイナンスする」ことをしていくという姿勢を、言葉で示している。

和菓子の老舗「虎屋」も時代に合わせて少しずつ味を変えていると言われている。
しかし、老舗ならではのイメージや商品が崩れぬように守るべきものは守っているのだ。

 

柔軟に意見を変えることも「ファイナンスする」ことであり、プラスに働く。

「ファイナンスする」ことは、決して最初に決めたことを貫くものというわけではない。
貫く場合もあれば、柔軟に変化することもある。

常にその時々に応じて「あらゆることの価値を適切に判断する」ことができれば、その時に必要な、現状維持なのか、軌道修正なのかを正しく判断することができる。
例えば、かつて反感を持っていた相手に対して、改めて再度「ファイナンスする」ことができれば、過去の反感を共感に変えて共に一つのことに取り組む仲間となれる場合もある。
「頑固に意見を貫くこと」は「価値判断」ができてない「こだわり」となってしまい、「ファイナンスする」という思考からは離れてしまうのだ。

面白い例としてあげられるのは、
テスラCEOのイーロン・マスク氏が大統領選挙期間中にはトランプ氏を「米大統領にふさわしくない」と批判し、テスラの昨年の最大献金先は民主党のヒラリー・クリントン候補だったにもかかわらず、「大統領戦略・政策フォーラム」の一員になった。
という例だ。製造業を底上げし、自社の事業・自国の製造業を強化することに賛同しようと、柔軟に切り替えたのだ。

Elon Musk

逆にこのような判断もある。
「米ウーバーCEO、トランプ氏に助言する組織メンバー辞任-批判受け」
ウーバーのCEOトラビス・カラニック氏は、「テロ懸念国」からの入国を制限する大統領令が出た後、人々によるサービス不買運動が起きたことを理由に、トランプ大統領に経済問題で助言する組織「大統領戦略・政策フォーラム」のメンバーを辞任したのだ。

「大統領戦略・政策フォーラム」という一つの組織に対しても、価値判断は様々であり、仲間入りするという判断もあれば、離脱するという判断もあるが、どちらにも共通しているのは、
「ファイナンスする」ことで、自分たちの結果を最大化する、という目的のもとに柔軟に変化したということである。

 

キャバ嬢も「ファイナンスする」ことで、成功をつかむ。

この「ファイナンスする」というのは、キャバ嬢から見習うことができるかもしれない、という説がある。
キャバ嬢の競争の中では、適切に「ファイナンスする」ことが得意な者が、成功を呼ぶものとされているのだ。

こんな話がある。

あるキャバ嬢が、以前顧客として来店した男に、1年ぶりに突然電話をかけてきて
「明日は私のバースデーだからきてほしい」
といった。

その男は、こう思ったそうだ。
「久しぶりに電話が来たかと思えば、営業電話か。」

彼女は必死に、バースデーで集めるべき集客ノルマを達成しようと、片っぱしから電話をしているということだ。

そこで、成功するキャバ嬢だったら、つまり、電話相手の顧客がしっかりとバースデーに来てくれるキャバ嬢は、何が違うのかを考えてみる。

その違いは電話をする以前にすでに決まっていると言われる。

違いは、「普段からしっかり連絡を取っているのか」どうかだ。

成功するキャバ嬢は、どんなに面倒でも、たった一回しか来ていない顧客でも、なるべく多くの人と、適切な頻度と節度をもって、常に連絡を取っているそうだ。
そうする事で、常に気に留めてもらい、何かあったときや、売り上げが伸び悩み始めたときに
「突然」感を出さずにすんなりと顧客を呼ぶ事ができるようにしている。

成功するキャバ嬢は顧客との連絡に価値を置いており、それを怠らないのだ。
見た目や、ノリの良さ、お酒の強さ、人脈の多さよりも、最も売上を作るのに大切な事が「顧客との連絡を適度に取り、つないでおく事」だとわかっているのだ。そしてそれが日々の売り上げにも大きく影響する。

「ファイナンスする」ことで適切な価値判断をし、時間的投資をするべきことや、顧客との適切な距離感を見極めて、選択と集中し、顧客をしっかりと掴み続けているのが、成功するキャバ嬢だ。

こうしたファイナンスによる、適切な集中すべき事の判断や、「顧客とのコミュニケーションの適切な距離感と頻度」の例は、ブランドやサービスなど、toB・toCにかかわらず様々な事業を進める上で参考になるかもしれない。

 

私生活に潜む無意識に「ファイナンスする」瞬間。

休日など私生活でも、人は意思決定の中で小さな「ファイナンスする」ことを日々重ねている。

例えば、好意を寄せている異性から、唐突に「来月に2人で夜ご飯を食べに行かないか」と誘いのLINEが来たとする。
まずはそのLINEを今開くことの価値(良い点と悪い点)を考える人もいるかもしれない。
その後の返信や予定を合わせる際にも、笑いをとったり、柔和な雰囲気を作り出したりという、様々な目的が無意識にはたらき、送り方やスタンプの使い方など様々な点で意思決定をする。
これら全ては、一つの「ファイナンスする」積み重ねである。

他にも例えば、休日は誰とどこに行くのか、何をするのか、1人で本を読み過ごすのか、知り合いに誘われた食事会に行くのか、けれども明日の仕事に支障が出るかもしれない、など、様々な意思決定の際に「あらゆる価値を適切に判断すること」すなわち「ファイナンスする」ことをしているのが、私たちだ。

まとめ

「ファイナンスする」とは「価値を適切に判断すること」であり、その考え方を持って日々の「WHAT」「HOW」に関する意思決定をすることは、私生活でもビジネスでも、生かされるかもしれないのだ。
そしてそれによって見極めた決定に対して、選択と集中をすることで、最大の結果を生み出すことができる。

自分の人生の中でも「ファイナンスする」というと違和感を生むかもしれないが、実際にはそれは、大切な事かもしれない。
健康や趣味への投資も含めて、勉強や仕事や恋、友達や家族との時間など、人生において長期的に幸福(結果)を最大化するためには、現在や未来の自分にとって何が価値を持つのか適切に判断し、そこに投資をしていくことが秘訣になり、それが長く心地よく生きていく手助けになるかもしれないのだ。

 

参考:

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Focusing on tech, life, art and design.

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